「ねぇ、私が悪かったから、もういいよ、私が悪いってことでいいから」 目の前の相手へ向けられた言葉にも関わらず、相手の返答を待たず独白の様に私は言葉を続けた。 「本当に私のこと好きだったの？」 「どれだけ怒られたって、私にはよく分かんないよ」 …

「死にたいけど死ぬ勇気が無いから殺されたいな」きっと自らの命を絶つことにそんな深い理由など無い、必要もない、私はそう思っている。受験で失敗した人、会社をクビになった人、恋人に別れを告げられた人、友達から「死んじゃえ」って言われた人、ただ生…

「寒いね」 君の声。 「うん、寒い」 私の声。 「冬が寒いからさ、仕方無いよね」 隣にいる君にではなく、遠くの誰かに向けたかのような問いかけ。 「そう、だね」 そう言って差し出された、と形容するには少し遠い場所に伸ばされた手を、私は掴んだ。 二人…

いつからか私は"特別"な人間になっていた。 「オレは"特別"なヤツになるからな！」そう宣言するのは中学生の頃のクラスメート。 格好良くて、運動が出来て、頭も良い、人気者。 いつもクラスの中心で、彼が話し出せば誰もが耳を傾けた。 彼の語る夢、それは…