駄文17

インターネットアンヘルシーメンタル病患者

このハオルチアは枯れない

一年ぶりに訪れた佐賀の市内はほとんど変わっていなかった。

感慨深いとか、感傷に浸ってしまうとか、そういった感情が芽生えてこないことが自分でも意外だった。

 

変わらないからだな、とも思う。

東京の街はあっという間に変わり過ぎてしまうので、「 ここにはあれがあったはずなのに」 という喪失感のようなものがあったりするのだけれど、

あまりにも何も変わらないので、よく遊びに来ていた施設のお気に入りだったトランポリンだとか、家族で訪れた飲食店も全部そのままで、

きっと時々散歩した動物公園や住んでいた団地の近所の滑り台も、みな同じようにそこにあるのだろうと思う。

 

つまるところ、過去の記憶であることは間違い無いのだけれど、それが今も地続きに繋がっているような、 そういう感覚なのである。

 

一人で過ごすようになってからの数か月間行きつけにしていた居酒 屋のマスターは、一年ぶりでも僕のことを覚えていてくれて、暖かく迎えてくれた。

それだけでも、佐賀という街に繋がりできたという確かなよりどころになったりしなかったり、そんな感じだ。

 

 

最近、他者を大切に出来ていないな、と思うことが増えた。

もちろん昔から大切にしてないだろうという指摘がいたるところから来そうなのだけれど。ここ最近立て続けに5人ぐらいと出会って 二度と会わなくなってを繰り返していたので、

あんまりよくないことをしているな、と思ったりしていた。

 

と、ここまで書いていた1月末、そして3月頭の今、僕は青森に居たりする。

業務上の転勤だが、決定権はこちらにあったし、なんとなくただ「 行ってみるか」という軽い気持ちで青森に住むことになった、「結婚してみるか」と思ったあの時と少し似ている。

期限は決まっていないが、佐賀に来た時に比べるとずっと楽観的である、それは色々鍛えられたからなのかもしれないし、

「本当にどうしようもなくなったら帰れる」 という絶対的な安心感があるのかもしれない。

そう思う頃に東京に僕の居場所があるかどうかは別の話として。

 

折角だから青春したいと思ったりもするけれど、心以上に身体の老いは厳しく、

酒を飲む気にもなれないという、悲惨な今日この頃であったりする。

 

頑張りましょう、強くなりましょう、2023